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朱変り塗組木模様蒔絵鞘合口短刀拵

附短刀 無銘(池田一秀)


Shu kawari nuri kumiki moyo makie saya, aikuchi tanto koshirae
Tanto
no sign (Ikeda Isshu)


※極めは銀座長州屋の見立てによるものです。同時代・同等の工の作であろうとみられます。
We, Ginza Choshuya certificate it Ikeda Isshu.

価格 十二万円
Price 120,000JPY

 


― 幕末の武士好みの乙な合口拵





拵全長 九寸六分 (Whole length; 29.1cm)  / 柄長 二寸四分七厘(Hilt length; 7.5cm)
鞘長 七寸三厘 (Scabbard length: 21.3cm)
老松図目貫 銘 有美 朧銀磨地毛彫
Menuki: "Rosho" (pine tree), signature Yubi, made of Oboro-gin
蛍狩図栗形 朧銀磨地高彫色絵
Kurigata: "Hotaru-gari" (firefly), made of Oboro-gin
小柄欠 
This koshirae has no Kozuka.
差裏側画像

刀身 短刀 無銘(池田一秀)
 出羽国 江戸時代後期 約百九十年前
 刃長 六寸四厘 (Edge length; 18.3cm)
 元幅 七寸六厘 (Width at Ha-machi; 2.3cm)
 重ね 二分二厘 (Thickness; 0.67cm)
 素銅地一重ハバキ Su-aka single Habaki


*    *    *    *    *

《坂本龍馬ら志士の腰間にも見られるスタイル》

 幕末の武士が腰に差したであろう合口短刀拵。有名な坂本龍馬のポートレートを始めとし、幕末の志士が同タイプの拵を懐に差している写真が現在にも多く遺されている。


『レンズが撮らえた幕末維新の志士たち』
小沢健志監修 山川出版社 より

《朧銀地でまとめられたシックな金具類と塗の妙味を堪能出来る柄鞘》
 色合い深く落ち着いた朱漆塗鞘の表に四つ、裏に三つ蒔絵された文様は、氷割文様か、はたまた網、竹籠、或いは蜘蛛の巣…と想像が広がる。
 柄は立鼓(りゅうご)が取られて形よく、
中央に朧銀石目地の筒金を挟み一分刻みとされた黒漆塗の柄は艶やかな光沢を放っている。目釘金具は筒金と合わせて朧銀地。こちらは磨地に仕 立て、巧みな毛彫と片切彫で老松を描いている
 
栗形は朧銀磨地に情緒たっぷりの蛍狩りの図が彩り豊かな高彫色絵で描いている。団扇が附された枝の先には暗闇に妖艶な光を発する蛍が舞い飛び、今日あまり見られなくなったノスタルジックな情感を喚起させる。笹は節、葉脈までが彫られ、金色が鮮やか。五本骨の団扇の図柄は花菖蒲であろうか。
 縁・頭。鞘口・鐺の角が拵全体を引き締めている。
 






刀身差裏画像

納められた短刀は江戸時代後期の作で、身幅の割に寸詰まり、重ね厚く反りなく、京粟田口物に範をとったとみられる端正な姿。


 地鉄は板目肌詰んで鉄色明るく、刃文は直刃調。小互の目を交えて浅く湾れ、刃縁は小沸で明るく、帽子は浅く乱れ込んで小丸に返る。

 茎は無銘ながら生ぶ。錆浅く底白く輝き、目釘穴は瓢箪形とされ、新々刀の開拓者・水心子正秀に導かれた池田龍軒一秀あたりであろうか。

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