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刀 生ぶ茎無銘 因州兼先

Wakizashi
no sign (Ubu nakago)
Inshu KANESAKI

保存刀剣鑑定書因州兼先
Hozon certificate by NBTHK
(attributed to
Inshu Kanesaki)
ご成約を賜りました Sold out



―山陰の地に栄えた美濃刀の末裔


日本刀販売品 刀 無銘 因州兼先
日本刀販売品 刀 無銘 因州兼先

因幡国 江戸時代前頃 寛文頃 約三百四十年前
Inaba province / Kanbun era (early Edo period, late 17th century), about 340 years ago
刃長 二尺二寸六分三厘 (Edge length; 68.6cm)  / 反り 四分 (Curv合わせture; approx. 1.2cm)
元幅 一寸二厘(Width at Ha-machi; 3.09cm) / 先幅 六分三厘(Width at Kissaki; 1.91cm)
重ね 二分一厘(Thickness; 0.66cm)
金着一重ハバキ 白鞘入 Gold foil single Habaki, Shirasaya
昭和35年大阪府登録(33025号 4月19日)


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《孫六兼元、和泉守兼定…錚々たる名人に連なる系譜と技》

 無銘ながら因州兼先と極められた刀。
 因州兼先は江戸時代に美濃から因幡国鳥取に移住した惣右衛門に始まる一族。因州池田家に仕え、幕末まで代を重ねて栄えた。
 孫六兼元、和泉守兼定らに代表される美濃刀は、優れた切れ味と操作性の良さで武将の信頼を獲得。江戸時代には将軍膝元の江戸や諸国の城下町に移住して活躍している。


《洗練された姿形と随所に見られる美濃物の特徴》

 この刀は惣右衛門の孫で、江戸時代前期の寛文頃に活躍した兵右衛門兼先の作とみられる。身幅広く重ね充分で鎬筋張り、反り浅く、元先の幅差ややつき中鋒にて、姿はすらりと洗練されている。
 地鉄は小板目肌詰み澄み、細かな地景が縦横に入り、小粒な地沸湧き立って肌潤い、鉄冴える。
 刃文は焼高い丁子乱刃で、矢筈風の刃、尖りごころの刃、房状の刃を交えて高低に変化して兼房乱れを想わせる。帽子は乱れ込んで地蔵帽子風に返り、美濃物の特色が顕著。
 茎の保存状態は良好で、
生ぶ茎鑢目は美濃物らしい細かな檜垣鑢。
 
  戦国動乱で練磨された美濃刀の高い技術を証する、頗る見応えある一刀。


刀 無銘 因州兼先 差表鋒

刀 無銘 因州兼先 差表中央


刀 無銘 因州兼先 差表ハバキ上

 小沸ついて匂口締まりごころに明るく、焼の谷からこぼれた匂足を遮るように細かな金線・砂流しがかかり、沸匂充満して刃中の照度は高い。




刀 無銘 因州兼先 差裏鋒
刀 無銘 因州兼先 差裏中央
刀 無銘 因州兼先 差裏ハバキ上

 

刀 無銘 因州兼先
茎は生ぶ。保存状態はよく、美濃物らしい細かな檜垣鑢が掛かっている。


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