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短刀
銘 備州長舩祐定
Tanto
signature Bishu Osafune Sukesad01a
備前国 永正頃 約507年前
Bizen province
Eisho era, about 507 years ago
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刃長 (hacho) |
六寸九分六厘半
(20.2cm) |
反り (sori)
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内反り
(curved on the inside) |
元幅 (motohaba) |
六分九厘強(2.1cm) |
重ね (Kasane) |
二分弱(0.6cm) |
金着一重ハバキ(fitted with gold foil single habaki)
白鞘入 (come in a magnolia scabbard)
昭和四十七年福井県登録(10月24日 16934号)
保存刀剣鑑定書 Hozon certificate
備前祐定は有名な山中鹿之助をはじめ歴史的武将たちの信頼篤い一流商標である。彦兵衛、与三左衛門、源兵衛尉ら棟梁に仕えた刀工はいずれも技量優れ、先陣を駆ける武将の為に槌を振るった。
この短刀は身幅重ね尋常で、僅かに内に反りついてふくら僅かに枯れて鋭利な姿で、年紀はないが、彦兵衛・与三左衛門祐定が差配した永正頃の作とみられる一振。地鉄は板目に流れごころの肌を交えて肌目起ち、刃寄りが黒く澄んでこの上を霞のような映りが立ち昇る変化のある肌合となり。古刀の良さが堪能できる。刃文は腰刃を焼いて、直刃に小互の目を交え、刃境は沸づき、刃境に湯走り、金線・砂流しがかかって焼刃は層をなし、刃中も強く沸づいて明るい。帽子はよく沸づいて小丸に返り、覇気横溢の刃文構成。茎は短く操作性に優れ、敵陣に突き進む騎馬武者の腰刀の実情を示す、戦国浪漫芬々の魅力ある一振となっている。 |