双茄子透図鐔
無銘 刀匠
鉄地丸形陰透無櫃
江戸時代初期
縦 82.8mm 横 83.2mm 切羽台厚さ 3.1mm
(耳 2.0mm)
江戸初期の打刀拵に誂え向きな小柄櫃のない無櫃の造り込みに、ころりとした茄子を二つ陰に透かした鐔。
茄子は音が「成す」に通ずることと、花が必ず結実する性質から、縁起のよいものとして好まれてきた。
天地両方から見ても成立する図柄に、組み合って刀を抜くことが念頭にあった戦国時代の名残がまだ色濃く残っていた時代を反映している。