三ツ巴透に文様象嵌図鐔
無銘(平安城象嵌)
鉄地竪丸形地透真鍮象嵌 無櫃
縦 84.2mm 横 83.6mm 切羽台厚さ 4.5mm
大胆に三つ巴文を陽に透かした鐔。地面にはそれぞれ直線と曲線で構成された二種類の文様が隙間なく真鍮象嵌されている。直線で描かれた文様は記号のアスタリスクを想わせる。アスタリスクの語源は星であるから、これは星文様と言ってもよいかもしれない。耳際をぐるりと囲む蛇行曲線は南蛮唐草文とも呼ばれることもある文様に類似している。蔦唐草等の平安城象嵌の典型的な意匠とはまた違った抽象文様が面白い。