瓜図時代笄
無銘(古金工)
柔らかな山銅の色合いしっとりとした大振りな時代笄。いかなる拵に装着されていたのだろうか。手にするとズシリとした存在を感じる。
蕨手は古風な形を呈しており、造りはフラット。 時代のわりに健全な竿を初め、コンディションも良い。
細かな魚子地の地板に彫り描かれているのは、蔓いっぱいに葉と果実をつけた瓜。ふっくらとした質感は十分に残しながらも、幾多の時代と人の手を経て摺れた表面に何とも言えない雰囲気がある。葉に置かれた真鍮露象嵌も飴色に変化し、良い味を出している。
瓜はふっくらとした形状も面白さに加え、沢山の実をつけることから子孫が代々続くことを連想させ、古くから好まれてきた図柄。