源氏車に忍草図鐔 無銘(会津正阿弥)
源氏車にしのぶ(羊歯)を取り合わせたどこか王朝風な図柄。野に打ち捨てられたような趣に風雅を感じる。
石目に仕立てられた地面に車輪は赤銅と朧銀の象嵌、その車輪に沿うようにふんわりと繁るしのぶ(羊歯)は金布目象嵌。耳が僅かに切羽台よりも高く仕立てられなだらかな小肉に処理されており、掌にしっくりと落ち着き馴染む感じも良い。