〜阿波正阿弥〜

 阿波に咲いた雅やかな金象嵌

 阿波国は現在の徳島県にあたる。
 四国にありながら最東部に位置し、地理的に京阪に近いことから、 阿波言葉や淡路島を経由して入ってきた阿波浄瑠璃など四国の他の三国(讃岐、土佐、伊予)よりも文化的には京阪地域の影響を色濃く受けている。
 鳴門海峡を隔て京阪と接している地理的な要因に加え、江戸時代以降当地を治めた蜂須賀氏の下、藍、和紙、海産物、砂糖といった特産品を専売化し潤った経済を背景に、絢爛豪華な上方文化を独自に発展させた阿波の文化は、刀装具にもその特徴が顕著に見られる。後藤家の出身で顕乗門人とされる正時を初代とする野村家、そして今回採り上げる鉄地に施された金布目象嵌が華やかな京正阿弥の流れを汲む阿波正阿弥である。


 阿波正阿弥は京正阿弥の特徴である金を多用する布目象嵌を継承している。素材は鉄が多く真鍮地も見られる。両櫃穴は概して大振りで、左右の形は対称である。図柄は唐草や紗綾形、花や地紙(扇面)、丁子といった雅やかな琳派風の文様が多く見られる。

 京風の雅で華やかな金象嵌が美しい阿波正阿弥の鐔の佳品の数々をご紹介致します。

 


 

   

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